ほっかいどう・おくすり情報室

甲状腺ホルモン含有健康食品について

健康被害事例が紹介された健康食品のうち、セン(繊)之素コウ(膠)嚢(せんのもとこうのう)には乾燥甲状腺末及びフェンフルラミンを含有していることが確認されています。上記商品以外の健康食品にも甲状腺ホルモン等を含有する可能性があるため、疑われる症状が現れた場合には、ただちに服用を中止し、医療機関を受診してください。

甲状腺ホルモンを含有する健康食品

甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンは全身の細胞の新陳代謝を調節する働きを持っています。そのため体内の甲状腺ホルモンが多くなると新陳代謝が盛んになってエネルギーが使われるため体重が減少します。これがダイエットのための健康食品に混入される原因だと考えられます。しかし、通常体内にある甲状腺ホルモンを健康食品等で摂取することにより甲状腺機能亢進症となったり、副作用の発現が報告されています。

甲状腺機能亢進症

症状としてまず体重の減少が現れます。甲状腺ホルモンは新陳代謝を活発にするため、増えすぎると体内での酸素の消費量が増え、糖質や脂質、たんぱく質の代謝や心臓の働きも活発になり、神経の興奮を高めます。そのため食欲が増進するにもかかわらずエネルギー消費が増えるので、体重が急速に減っていきます。同じ理由から、脈が速く動悸がする、汗が多い、疲れやすい、息切れ、手の指がふるえる、脱力感、微熱、神経過敏、暑さに敏感になる、不眠、月経異常、下痢、排便回数が増える、口渇・多飲などがみられることがあります。