ほっかいどう・おくすり情報室

エフェドラ(Ephedra)について

 中国製ダイエット用健康食品による健康被害の報道が相次いでいるところですが、米国においても「エフェドラ」製品の摂取による健康被害が報告され、米国食品医薬品局(FDA)が勧告を出してその監視と対策に乗り出しています。厚生労働省からも2002年9月5日付で各地方行政区薬務主管部長宛に「エフェドラ含有製品の監視指導」要請の通達が出されています。

エフェドラとは?

中国やモンゴルに自生するマオウ科の植物の属名で、日本では「医薬品成分」とされる生薬のマオウ(シナマオウなどの地上茎)に該当し、漢方処方用薬として咳、痰、発熱アレルギー性の鼻づまりなどに用いられ、多くの一般用医薬品(OTC)にも使用されています。

エフェドラ(マオウ)はエフェドリン、プソイドエフェドリン等のエフェドリンアルカロイド類、タンニン、フラボノイドなどを含有します。日本では食品への使用は禁止されており、マオウやエフェドリン類を含有する製品は〝未承認医薬品〟扱いとなります。

英 名 Ephedra Herb
中国名 麻黄(まおう) Ma Huang
和 名 シナマオウ
米国での現状

エフェドラは米国において栄養補助食品(ダイエタリーサプリメント)として販売されています。1980年代以降、副作用である食欲不振、不眠、血圧上昇、体温上昇などを逆に利用してダイエット薬として使用され始めました。ダイエット目的以外にも筋肉質の体を作りたい人や気分を高揚させたい人も使用しています。『ハーブ系、天然物…』というふれこみで販売されているようですが、心臓発作、脳卒中、けいれん発作、死亡などの有害事象が1000件を超えて報告されており、FDAも販売に対する勧告を行っています。エフェドラ製品服用後の運動、カフェインやエフェドリン含有OTC併用などが関与しているともいわれていますが、一部の服用者に突然死の危険があるのが怖いところです。

日本でも個人輸入により入手可能で、エフェドラ関連成分は以下のような英文名称で記載されている可能性があり、含有量も不正確なことから注意が必要です。

◇Ephedra ◇Ma huang ◇Ephedrine ◇Ephedra sinica ◇Sida cordifolia ◇Epitonin ◇Pseudoephedrine ◇Methyl ephedrine