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薬剤師の活動の場

公開日 : 2024年4月9日(火)最終更新日 : 2024年5月31日(金)

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医薬品卸における活動

医薬品卸の各支店には、薬剤師が必要です。そしてその業務は多分野にわたります。医療業界の最新情報を集め情報提供を行い、医薬品の有効性や安全性、適正使用に関する情報を提供するDI・PMS業務。法律に基づいて適正に医薬品の管理や取り扱いを行っていく薬事管理。温度や期限や衛生管理を行い、品質を維持していく品質管理。その他、市町村や医療機関と連携して、地域の活動に協力していきます。

保険薬局における活動

保険薬局に勤務し、医師が発行する保険処方箋を受け取ることから始まる業務です。記載されている薬の相互作用や用量や併用薬等、患者さんの背景をもとに、処方箋の「監査」を行い、間違いがないことを確認した後「調剤」し、患者さんの病状を確認したうえで「服薬指導」を行うことがメインとなります。

幅広い薬の知識や会話の能力が問われるとともに、患者さんとの距離が近く、つながりを感じることができる業務です。また、処方箋から、薬の知識のみならず、保険の知識も得やすくなるのは、他の薬剤師と違うところです。処方箋以外の医薬品や医薬部外品、食品等も取り扱うことで、患者さんのみならず地域の住民に密着した存在にもなります。

病院における活動

薬局同様、医師からの処方箋の監査を行い、調剤を行います。ただ、点滴や注射はもちろん、その規模によっては、透析や輸液といった分野まで取り扱うこともあり、院内製剤を調剤している病院も珍しくありません。薬の特定分野に特化した薬のスペシャリストとして活躍できる場もあり、様々な認定薬剤師や専門薬剤師の資格の取得も可能となります。また、病棟を担当すると、入院患者さんの持参薬の確認や入退院指導といった、より患者さんに近い業務や、感染対策、栄養サポート、緩和ケアなどのチーム医療を行うこともあります。

ドラッグストアにおける活動

ドラッグストアは店頭販売できる医薬品、医薬部外品、日用品など様々な分野のものを取り扱うことになります。季節や流行を考えて品揃えを変えていく、配置の工夫や期限の管理もしていきます。お客さんのニーズを聞きそれに合ったものを選ぶことが必要となるので、接客業の一面もあります。また、保険薬局とドラッグストアの併設型もあり、そのような店舗の場合は処方箋調剤を行いつつ、ドラッグストアの業務も行う場合もあります。

製薬会社における活動

一般的には新薬の研究開発というイメージが強いですが、どの部署で働くかによって、その内容には違いがあります。新薬を作る際に必要な情報を集め、どのように製剤化していくかを研究する研究部門、研究部門で作り出した新薬の試験を行い承認まで行う開発部門、医薬品の製品説明を医療機関に説明するMRとしての役割や、MRに対して製品説明を行う学術部門等をはじめ、治験コーディネーターとしての業務や、管理薬剤師として、承認された医薬品の品質管理や行政の対応を行うこともあります。

化粧品企業における活動

化粧品の新規有効成分を研究したり、新しい素材を研究したりします。研究・開発・試験・検査を経て、新しい化粧品を世の中に生み出していく仕事です。その過程で、新商品が法律の基準に沿っているかどうか、広告の際に抵触する部分がないかどうかを確認することも必要になるので、医薬品成分や生薬成分の知識はもちろん、医薬品医療機器等法などの知識も必要となってきます。新製品を開発するという達成感と、自分の作り出したものが世の中の多くの人々に使ってもらえるというやりがいを感じることができます。

学校薬剤師としての活動

 市町村からの委嘱により、学校薬剤師として学校における様々な教育活動や衛生管理について指導・助言を行う仕事であり、薬局や病院などに勤務する薬剤師が行っていることが多いです。教員に対する特殊な医薬品の使用法の指導やその管理についての助言、さらには、法律によって決められた環境衛生検査の実施及び結果に対する助言、学校保健会への参加など、その活動内容は多岐にわたります。その特殊性と学校の数が限られていることから、誰でもすぐになれるわけではないですが、教育分野への興味と環境衛生の知識をもって取り組むことで、薬剤師としての知識の幅も広がります。

行政における活動

薬剤師の行政職としては、厚生局や保健所に所属し、地域の医療機関に対して指導や助言を行うというものがあります。

他の行政職には、まず「麻薬取締官」があります。麻薬取締官は、医療用に流通する麻薬・向精神薬・覚せい剤などの適正使用や保管などに対する監督・指導を行います。また、薬物犯罪にかかる取り締まりや捜査・逮捕、薬物中毒者に対する助言・相談や対策なども行います。加えて、麻薬取締官の働き方で最も特徴的なのは、「特別司法警察員」として薬物犯罪に捜査権限をもっており、逮捕術や拳銃による射撃の訓練などを行う国家公務員です。一般的な薬剤師と違う道を求める人には魅力的な選択肢の一つにもなり得ます。

その他にも、「薬剤官」と呼ばれる自衛隊薬剤師として、陸上・海上・航空自衛隊それぞれの衛生科に所属し、医師・歯科医師・看護師などと共に、災害時など有事の際に医療支援を行い、部隊のメンバーの衛生管理・健康管理や、医薬品の管理を行います。また、あまり知られていない行政職には「法務技官」とよばれる刑務所薬剤師があり、隔離されている刑務所において、調剤・服薬指導を一般的な薬剤師と同じように行います。

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