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医薬品の供給不足について

公開日 : 2024年4月12日(金)最終更新日 : 2024年4月16日(火)

カテゴリ・タグ : 医薬品の供給不足と薬局・病院・診療所等における薬剤師の対応について

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ここ数年、全国的に医療用医薬品の供給不足が問題となっており、特に咳止め薬や去痰薬、解熱鎮痛薬などが不足しています。

この様な状況になったきっかけは、2020年12月に某製薬会社において、水虫などの真菌症治療薬に睡眠薬の成分が混入し、健康被害が発生したことに始まります。

その上、国が承認していない工程での医薬品製造などの不正も明らかとなりました。

これを機に国や都道府県は、製薬会社に対して立ち入り検査を実施し、さらに各社が自主点検を行ったところ、複数の会社で医薬品製造に問題があることが発覚しました。

その結果、一部の製薬会社に対しては業務停止命令が出されるなど、多くの製品が自主回収となり、幅広い種類の医薬品の出荷が止まることになりました。更に新型コロナウイルス感染症やインフルエンザウイルスの流行により、上記の咳止め薬の需要が増加し、現状の医薬品供給不足が起きています。

これを受けて、製薬会社と卸売販売業者は、医薬品に対する需要(使用量)が供給(製造量)を上回った場合に、自主的に供給量を調整する「出荷調整」を行うため、薬局で注文を出してもなかなか納品されないという状態になっています。

これをご覧の皆様の中にも、供給不足が原因で「薬のメーカーが変わった」「薬自体が変わった」という方がいらっしゃるかと思います。

私たち薬剤師は、患者様から処方箋を受けて、お薬を交付するにあたり、今まで服用していた医薬品が入手できない場合は、医師と相談して病状にあった処方提案をするなどして、患者様に対し不利益がないようにしております。

以下、薬剤師法には、薬剤師の任務として医薬品の供給を行って、国民の健康な生活を確保すると記載されています。

(薬剤師の任務)

第一条 薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。

 3年ほど前から始まったこの医薬品供給不足ですが、残念ながら今後もしばらく続く見込みです。

そのような状況下におかれましても、私たち薬剤師は、多くの患者様の医薬品供給に尽力し続けてまいりますので、皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

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