新型コロナウイルス感染症の予防法と治療薬について
公開日 : 2024年4月12日(金)最終更新日 : 2024年4月12日(金)
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感染予防について
新型コロナウイルス感染症は、令和5年5月8日の5類感染症への移行に伴い、感染対策やマスク着用の考え方については、個人の選択が尊重され、感染対策の実施については個人の判断が基本とされています(マスク着用については令和5年3月13日より)。
新型コロナウイルス感染症は、飛沫(ひまつ)感染(+エアロゾル感染)と接触感染が主な感染経路といわれています。飛沫感染とは、ウイルスを含む飛沫(こまかく飛び散る水、しぶき)が口や鼻、目などの粘膜に付着することで感染することをいい、飛沫は2メートルほど飛ぶことが知られています。感染者が咳・くしゃみ・呼吸・会話・歌などにより、口や鼻から様々な大きさや性状のウイルスを含む粒子が空中に放出されますが、液体を含んだ小さな粒子などが、空気に数分から数時間にわたって浮遊することがあります。このエアロゾルを吸い込んだりすることで感染することをエアロゾル感染と呼んでいます。密閉された換気の悪い場所では、長い時間、長い距離でウイルスが飛散する可能性もあるため、定期的な換気を行うことが重要となります。
接触感染は、感染者の皮膚や粘膜に触れた手で、または、ウイルスのついたドアノブや手すりなどの物に触れた手で、自分の鼻や口や目などを触れることで感染することをいいます。手洗いをこまめに行うことによって、手についたウイルスを洗い落とす効果があります。
当初、多くの人はウイルスに曝露してから4日から6日ほどで発症するとされていましたが、オミクロン株が流行株となってからは、発症までの潜伏期間が短くなり、2.9日ほどになりました。また、新型コロナウイルス感染症患者は、症状が出る前から他の人に感染させることが分かっています。およそ2日前からといわれています。そのため、換気の悪い場所や大勢の人が集まる場所では、マスクの着用やこまめな手洗いが有効です。また、できるだけ口や目などを手で触れないことも大切です。
新型コロナウイルス感染症にかからないためには、換気、できるだけ3密(換気の悪い密閉空間、多数が集まる密集場所、間近で会話や発声をする密接場面)を避けること、流水と石鹸で丁寧な手洗いを行うこと(流水がない場合には、アルコールによる手指消毒も有効)、マスクの着用、口・目・鼻を汚染されている可能性のある素手でさわらないこと、などが重要です。
厚生労働省HPより
新型コロナウイルス感染症の治療薬について
新型コロナウイルス感染症の治療薬には、現在、3種類の抗ウイルス薬の飲み薬が承認されています。感染症の患者に医師が必要と判断した場合に使用されます。
- ラゲブリオ®カプセル(有効成分:モルヌピラビル)
18歳以上の重症化リスク因子*のある患者に使用されます。
妊婦や妊娠している可能性のある女性は服用できません。
発症から5日以内に服用を開始することがすすめられています。 - パキロビッド®パック(有効成分:ニルマトレルビル/リトナビル)
成人または12歳上で体重が40㎏以上の小児で、重症化リスク因子*のある患者に使用されます。 この薬と一緒に服用することができない薬が多いので、薬剤師に相談してください。 発症から5日以内に服用を開始することがすすめられています。 - ゾコーバ®錠(有効成分:エンシトレルビル)
12歳以上の小児および成人に使用されます。
妊婦や妊娠している可能性のある女性は服用できません。
発症から72時間以内に服用を開始することがすすめられています。
この薬と一緒に服用することができない薬が多いので、薬剤師に相談してください。
*:重症化リスク因子とは、65歳以上の高齢者と基礎疾患のある人、一部の妊娠後期の人です。基礎疾患などには、慢性閉そく性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、脂質異常症、心血管疾患、肥満、喫煙などがあります。
これらの抗ウイルス薬は、医師から交付される処方箋によって薬局で調剤ができます。かかりつけ薬剤師・薬局にご相談ください。
ラゲブリオ
パキロビッドパック
ゾコーバ
写真はPMDA資料より